Amazonでは、フルフィルメント by Amazon(FBA)を利用することで、商品の保管、注文処理、梱包、発送、カスタマーサービス、返品対応などを一括して依頼できます。一方、会計・税務についてはAmazonへ依頼できないため、売上と入金、各種手数料、FBA在庫、消費税などを事業者が別途管理する必要があります。
本記事では、日本国内のAmazonストアを通じて国内の購入者へ商品を販売する事業者を対象に、Amazonの仕組みと会計・税務上の確認事項を解説します。
01AmazonセラーとFBAの関係
Amazonセラーは、Amazonストアへ商品を出品し、購入者へ商品を販売します。Amazonは注文の受付と代金回収を行い、売上金から各種手数料や返金などを精算して出品者へ支払います。
FBAは、Amazonセラーが商品をAmazonのフルフィルメントセンターへ納品し、販売後の商品の保管、注文処理、梱包、発送、カスタマーサービス、返品対応をAmazonへ委託する仕組みです。Amazonセラーは、商品の仕入れ、出品、販売価格の設定、FBAへの納品、在庫補充などを行います。
自社配送またはFBAを選択
手数料等を精算
商品代金等を支払い
※FBAを利用する場合は、Amazonが商品の保管、梱包、発送、カスタマーサービス、返品対応などを行います。
02Amazonセラーの会計実務
2-1売上金額と計上時期
Amazonからは、購入者が支払った商品代金等から、販売手数料、FBA手数料、返金その他の調整額などを差し引いた金額が入金されます。このため、入金額をそのまま売上とするのは適切ではありません。会計上は、購入者へ販売した商品代金等の総額を売上高、Amazonへ支払う手数料等を費用としてそれぞれ処理します。
売上はAmazonからの入金日ではなく、商品の引渡しを基準に計上します。出荷日や購入者への到着日など、取引の実態に応じた合理的な基準を定め、継続して適用します。
2-2ペイメントレポートから会計ソフトへ取込み
Amazonの売上を会計ソフトで管理する場合は、Seller CentralからAmazonペイメントレポートをCSV形式でダウンロードし、ペイメントレポートに記載された各項目を勘定科目に当てはめて会計ソフトへ取り込みます。
ペイメントレポートの情報と勘定科目を当てはめると、下記のような処理となります。
| 主な項目 | 勘定科目の例 | 内容と会計処理 |
|---|---|---|
| 商品売上・配送料等 | 売上高 | 手数料を差し引く前の総額を計上します。 |
| 販売手数料 | 支払手数料 | Amazonへ支払う販売手数料を計上します。 |
| FBA手数料 | 荷造運賃 | 配送代行や在庫保管等の費用を計上します。 |
| 返品・返金 | 売上返品等 | 売上の取消し等と返還手数料を分けて処理します。 |
| その他の調整 | 内容により判定 | 補填等の内容を確認して処理します。 |
| 留保額 | 売掛金 | 入金まで売掛金の残高として管理します。 |
| 振込額 | 未収入金 | 振込処理時に売掛金から振り替えます。 |
2-3振込処理と銀行入金
会計ソフトへ取り込む際は、各勘定科目の相手科目を売掛金として処理します。Amazonの振込処理日と実際の銀行入金日には差があるため、振込処理時に未収入金へ振り替えると、ペイメントレポートの残高と会計ソフト上の売掛金残高を照合しやすくなります。
2-4マイナス残高の処理
実務上よくあるのは、Amazonから売上代金が振り込まれた後に、月額料金、返品、FBA手数料などが計上され、出品用アカウント残高が一時的にマイナスになるケースです。その後に売上が発生すると、マイナス残高はその売上から差し引かれます。
一方、決済期間終了時にもマイナス残高が残る場合は、Amazonの規定上、登録されたクレジットカードへ請求される場合があります。この処理は、ペイメントレポートと会計ソフトの残高がずれる原因となりやすく、実務上、特に照合が難しい項目です。
決済期間終了時の売掛金の貸方残高を未払金等へ振り替え、次回以降の売上との相殺またはクレジットカードへの請求時に消し込みます。次のレポートに表示された前回のマイナス残高を、費用として再度計上しないよう注意が必要です。
2-5FBA在庫と期末棚卸し
FBAを利用してAmazonのフルフィルメントセンターへ商品を預けている場合でも、販売前の商品はAmazonセラーの棚卸資産です。
決算日前後の注文、出荷、到着、返品を確認し、売上と売掛金を整理します。販売不可在庫についても、販売できない状態になっただけで在庫から除外せず、商品の状態、返送または廃棄の事実を確認して期末棚卸高へ反映します。
03Amazonセラーにおける税務上の留意点
3-1販売時のインボイス
インボイス登録をしているAmazonセラーは、購入者へ交付される請求書等に登録番号などの必要事項が正しく表示されるよう、Seller Centralに登録番号を設定し、商品の税区分を確認します。登録の要否は売上規模だけでなく、Amazonビジネス等を通じた事業者向け販売の有無も踏まえて判断します。
3-2Amazon手数料とインボイス
Amazonの販売手数料やFBA手数料には、原則として消費税が課されます。
ペイメントレポートは、売上、手数料、返金、振込額などの入出金を確認する資料であり、Amazonへ支払った手数料の消費税額や適格請求書発行事業者の登録番号は表示されません。
Amazonが別途発行するインボイスは、Seller Centralの「レポート」から「タックス関連文書ライブラリ」を開き、「手数料明細書」で対象月を指定してダウンロードします。利用しているサービスに応じて、販売手数料等に関する「Selling on Amazon Fees」や、FBA手数料に関する「Fulfillment by Amazon Fees」などが発行されます。
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